スティーブン・キング「ダーク・タワーⅣ 魔道師と水晶球」
2006年 03月 03日
スティーヴン・キング 風間 賢二 / 新潮社
ISBN : 4102193448
スコア選択: ※※※※
まだ3月の超初旬なのに読み終わっちゃいました・・・
3月末まで時間ありすぎです。どうしましょう。
モノレールのブレインとのなぞなぞ合戦本番で幕を開け、
その後はローランドの昔話が大半を占める「魔道師と水晶球」。
この巻は緩急のつけかたが特徴的。
いきなりのフルスピード疾走のあと、どこか牧歌的な
甘々ムードの話が始まりますが、悲劇的な結末だと
いうことは事前に分かってるわけで、一体どうして?
と思いながら読み進めると、気が付けば悪意と陰謀が絡み付いて
既に抜き差しならない状況に。徐々にスピードが上がり、
いつのまにかフルスロットル!そしてスピン!
あぁ崖がスローモーションで近づいてくるのが見える・・・
というような感じでした。
・スザンナ
上巻のどこかで一箇所だけスーザンのことを地の文でスザンナという
表記があったような気が。現在確認中。
・なんて美男子
自分のことをハンサムだとか美男子だとか言うスーザンのセリフを
ローランドがどんなふうに旅の仲間に話したのか想像しちゃいませんか?
・ディカプリ男
若ローランドについて読んでたら、なぜかクイック&デッドの
ガンマンディカプリオが頭に浮かんでしまい。
てことはスーザン=シャロン・ストーン!?んなばかな。
・水晶球はまさに「一つの指輪」みたいな位置づけ。
見えないものを見せてくれるが、持つものの
独占欲を刺激し、破滅させる。
これ、確かに敵に持たせておきたくはないけれど
自分たちが持ってていいことあるんでしょうか?
さっさとオルドロインの火口に捨てちゃった方が・・・
でもきっと塔に至るキーアイテムなんだろうなぁ。
・チャーユー・ツリー
どうもスーザンと若ローランドのキャラが私にはいまひとつで
彼らの恋は「はよくっつきゃいいのに」と冷めた目で読んでたけど
スーザンの最期の言葉は予想外にぐっときました・・・。
「来たれ、収穫」と叫びスケープゴートを求める騒然さの中で
スーザンのローランドへの祈りは対照的にとても静か。
いろんな意味で危ういローランドですが、今もスーザンの愛は
ローランドと共にあって常に見守っており、彼が出会う人々に
愛されるよう祈ってくれている、それがローランドを少しでも
救ってくれていると読者としても思いたいものです。
・オズへのオマージュ
こんなに気味の悪い形でリスペクトしなくてもという気も。
いわゆる土着的な神話のないアメリカ人にとっての
人工的な神話のひとつ、なんでしょうか、オズは。
ディ○ニーや指輪物語なんかもそれに当たるのかもしれませんが。
そういうものをキング風にアレンジされると余計におぞましさが
倍増する気がします。
ローランドの過去はまだ全て明かされたわけじゃないんですよね。
アランとカスバートの最期はまだ謎のまま。
さて、「カーラの狼」まで長いけど、読み返して耐えます・・・