スティーブン・キング「回想のビュイック8」
2006年 05月 21日
スティーヴン キング Stephen King 白石 朗 / 新潮社
ISBN : 4102193375
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ダーク・タワーとのつながりを見るためにキング作品を
いくつか再読してるので、これにも触れておこうかしらん。
感想とか書いてなかったし。
んー、あのですね。実は初読の際の一番の感想は・・・
「キング読んでて寝ちゃうと思いませんでした」
だったんであまり書く気がしなかっ(ry
電車の中でコックリ。座椅子でコックリ。
同時期に「IT」読み返してたんだけど、そっちはもう再読だろうが
ページをめくる手が止まらないっていう感覚があるのに
こちらは・・・。うーん。
面白くないってわけじゃないんだけど、どうも盛り上がりに欠ける
というか。回想シーンばかりなんで冗長になっちゃうのかなぁ?
いや回想のせいじゃないか。
事件がほぼ警察署内で終わってしまうスケール感の小ささ、かなぁ?
でも狭い範囲でほぼ完結するけど面白い話とかキング多いし。
んー・・・なんだろう。ネッドに魅力がないってのはひとつあるかな。
あと現在の時間軸で物事が大きく動くのがラストしかないんで、
途中まで「現在」部分に緊迫感がなくてダルく感じちゃうのかも。
発想は面白いし、ディテール的には好きなとこあったりするんで
短編にしてくれたらキレがあってよかったかもしれない。
クトゥルフ的ムードもあって個人的には悪くないんですが、
いかんせん間が持たない印象です。
「我々は知性のある生き物を殺してしまった」ってあたりの心理描写とか、
「ビュイックはどこにでもあるのだから」という下巻のセリフなんかは
すごく好きなんですけどねー。
「ビュイック」=我々の理解を超えたもの、不条理・理不尽さの
象徴のようなもの?
で、ダークタワーとのつながりを改めて無理やり?探すと。
・サンディの姓がディアボーン
→「魔道師と水晶球」でローランドが名乗った偽名
・ビュイックを乗り捨てて?消えた黒いコートの男
→黒衣の男を連想させますが、どうでしょうかね。
・サンディがネッドを救出した時に見た風景
→これは「雷鳴」の風景で決まりでしょう。
ここ読んでる時わくわくしちゃいました。変かな?
・ビュイックから出てくる異形のモノ
→中間世界あるいは終焉世界の生き物なんでしょうか。
一番近いのはブレインに乗ってる時に見かけた生き物たちか。
・ビュイック
→「ドア」や「黒の十三」のような、あちらとこちらを
つなぐ経路のようなもの?
無理やり感漂ってますが、もしかしたら今後のダークタワーシリーズで
何か出てくるかもしれませんのでそのあたりを楽しみにしてます。