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記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

スティーブン・キング「回想のビュイック8」

回想のビュイック8〈上〉
スティーヴン キング Stephen King 白石 朗 / 新潮社
ISBN : 4102193375
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ダーク・タワーとのつながりを見るためにキング作品を
いくつか再読してるので、これにも触れておこうかしらん。
感想とか書いてなかったし。

んー、あのですね。実は初読の際の一番の感想は・・・

 「キング読んでて寝ちゃうと思いませんでした」

だったんであまり書く気がしなかっ(ry

電車の中でコックリ。座椅子でコックリ。
同時期に「IT」読み返してたんだけど、そっちはもう再読だろうが
ページをめくる手が止まらないっていう感覚があるのに
こちらは・・・。うーん。
面白くないってわけじゃないんだけど、どうも盛り上がりに欠ける
というか。回想シーンばかりなんで冗長になっちゃうのかなぁ?
いや回想のせいじゃないか。
事件がほぼ警察署内で終わってしまうスケール感の小ささ、かなぁ?
でも狭い範囲でほぼ完結するけど面白い話とかキング多いし。
んー・・・なんだろう。ネッドに魅力がないってのはひとつあるかな。
あと現在の時間軸で物事が大きく動くのがラストしかないんで、
途中まで「現在」部分に緊迫感がなくてダルく感じちゃうのかも。

発想は面白いし、ディテール的には好きなとこあったりするんで
短編にしてくれたらキレがあってよかったかもしれない。
クトゥルフ的ムードもあって個人的には悪くないんですが、
いかんせん間が持たない印象です。

「我々は知性のある生き物を殺してしまった」ってあたりの心理描写とか、
「ビュイックはどこにでもあるのだから」という下巻のセリフなんかは
すごく好きなんですけどねー。
「ビュイック」=我々の理解を超えたもの、不条理・理不尽さの
        象徴のようなもの?

で、ダークタワーとのつながりを改めて無理やり?探すと。

・サンディの姓がディアボーン
 →「魔道師と水晶球」でローランドが名乗った偽名

・ビュイックを乗り捨てて?消えた黒いコートの男
 →黒衣の男を連想させますが、どうでしょうかね。
  
・サンディがネッドを救出した時に見た風景
 →これは「雷鳴」の風景で決まりでしょう。
  ここ読んでる時わくわくしちゃいました。変かな?

・ビュイックから出てくる異形のモノ
 →中間世界あるいは終焉世界の生き物なんでしょうか。
  一番近いのはブレインに乗ってる時に見かけた生き物たちか。

・ビュイック
 →「ドア」や「黒の十三」のような、あちらとこちらを
  つなぐ経路のようなもの?

無理やり感漂ってますが、もしかしたら今後のダークタワーシリーズで
何か出てくるかもしれませんのでそのあたりを楽しみにしてます。
by sakanapo | 2006-05-21 14:37 | スティーヴン・キング