記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

ほしよりこ「きょうの猫村さん」

きょうの猫村さん
ほし よりこ / マガジンハウス
ISBN : 4838715951
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「家政婦は見た!」の市村悦子が猫に置き換わったゆる系漫画。
としか概要は言いようがない。
猫でありながら家事万能、もちろん人語もあやつる猫村ねこは
ある事情で村田家政婦紹介所の門を叩く。そこで紹介されたのが
犬神家。一見裕福で穏やかな一家だが、一家から浮いたヤンキー長女、
夫の浮気など様々な問題を抱えている。
見た目は猫だが中身はおせっかいオバサンの猫村さんはそんな一家を
放っておけず・・・という姿を描いていきます。

ケーブルインターネットのサイトで1日1コマづつ更新されている
連載ものだそうです。たぶん本を開いてまず面食らうのは
「1ページわずか2コマ」の「鉛筆書きのヘタうまな絵、手書き文字」でしょう。
富樫義博じゃあるまいし、こんなものを出版していいのか!と
最初ちょっと思ってしまいました。
話も上に書いた通り、かなりベタベタで人物も類型的です。
「一見乱暴だけど本当は心優しい不良娘」とかいかにもありがちな。

でも、それだけで終わらないところがこの作品の人気の所以なのでしょうか。
猫村さんが猫であるがゆえなのか、やけに昭和テイスト漂う雰囲気の
せいなのか(ヤンキーは短ランやらロングプリーツにリーゼント・・・)
ゆるいタッチの絵柄のせいなのか、生活感にあふれながらも妙にリアル感の
欠如した非日常の世界のお話として、醒めることなく素直に人情話を
受け入れられました。
「こんな奴いねーよ」という突っ込みを、猫村さんがいる時点で
封じられちゃってるせいか、ある種の確固たるファンタジー世界を
作り上げちゃってる感じです。

話中で出てくる架空の連続ドラマ「泣き虫刑事」の最終回もこれまた
ベタベタな展開なのに、家政婦さんたちと一緒にしみじみしちゃったり。
大仏刑事よかったね・・・。

これ、ただのおばちゃんがよその家庭のトラブルに首つっこんで
おせっかい焼きまくるお話を、見栄えする絵で描きこまれたリアルな
漫画だったら、やっぱりうざったくて読んでられないでしょうねえ。

猫村さんが随所で見せる猫の仕草も猫飼いにはニヤリとできるポイント。
初仕事の前夜、緊張と興奮で眠れない猫村さんが段ボールでえいえいと
爪といでるシーンとか、出っ張ったものに頭こすりつけてうっとりしてる
とことか、あるあるあるあるー!

2巻では犬神家の謎が徐々に明らかになり、くすりとしたり、そして
せつなくなってしまったり、しみじみしたり。
1巻同様に肩の力を抜いて楽しめました。
猫村さんの得意料理、ネコムライスはケチャップ味のチキンライス状の
ものだと思ってたんですが、チャーハン説やピラフ説などいろいろな説が
あるらしいです。
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by sakanapo | 2006-06-02 08:29 | 読書日記