記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

最近読んだ本/清岡卓行逝去

■東野圭吾「時生」

ある意味タイムスリップもの。
北村薫の「時と人三部作」かと思いましたよ!
うーん、イマイチでした。東野作品はどうも
肌に合わないのかもしれず。

花やしき懐かしすぎ度★☆☆☆☆

■渡辺多恵子「風光る」

少女漫画で描く新撰組。主人公はオスカルばりに男装して
新撰組に入ったおにゃのこデスヨ!月代ですよ?(前髪ありだが)
渡辺多恵子の絵はすっきりしてて嫌味がないのがいい。
お話はちょい無理が多いけどフィクションと割り切れば
けっこう面白いです。太刀のはき方とか着物の着方といった
江戸風俗トリビアが多くてためにもなったり。

沖田総司はどうしてヒラメ顔じゃないの度★★★★☆

のだめカンタービレの新刊が出る度に貸してもらってた
人が遠くに引っ越しちゃったんで最近読んでない;x;

そして。
作家、清岡卓行が亡くなったというニュースが数日前流れていました。
彼の作品に触れたきっかけはZ会の現代文問題集に載っていた
「朝の悲しみ」。抜粋でしたが、結局全文読みたくなって
文庫「アカシアの大連」を買って読破しました。
病気で妻を失った主人公の喪失感、虚脱感と妻への想いを
甘美に描いた作品です。
主人公が最後にたどりつく境地が実に美しい。
妻を失った悲しみに浸りきり、共に死にたいという気持ちも
肯定した上で、そこからもし生の希望が生まれてくるとしたら
それなら信じられるかもしれない、というようなフレーズ。
印象的でした。

親しい人を失ったとき、人はどのようにそれを乗り越えるか。
麻痺、否定や怒りといった段階を経て心の中でゆっくりと大事な人を
死なせていく(死を受け入れる)ことを心理学では
「グリーフワーク」とか「喪の作業」と言いますが、
この作品はその考え方とも非常に合致しています。
悲しみを押し殺して無理に日常生活を取り戻そうとしても
かえって立ち直りが遅れてしまう、変な表現ですが、
気の済むまで悲しむことが大事だ、という考え方です。

作中に出てくるメシアン「トゥランガリーラ交響曲」のCDも
買っちゃいましたよ! 作品中では「愛の眠りの園=甘い死」なのです。
死を象徴する愛の眠りの園から生の希望をあらわす小鳥が飛び立つのを
イメージして聞きましょう^-^

余談ながらこの問題集のとりあげる作品のセンスは非常によく、
問題文に読みふけることしばしば。解いた覚えは全くな(ry
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by sakanapo | 2006-06-11 02:55 | 読書日記