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記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

スティーヴン・キング「スザンナの歌」

やっと感想。
何度も書いては消し書いては消しでなかなかアップできませんでした。



いやね、面白かったんですよ?話自体はね。
ただ、やっぱりねー。
スティーブン・キングが本人として出てきて、ローランド達と会話をして、という例の部分がどうしてもひっかかってしまって。

作家としてはすごく無駄なことだと思うんですよ、これって。
すごい労力を費やして創造して、必死に何十年かかってリアリティを付与してきた物語を、一気に自分で「オハナシ」に戻しちゃう行為だもの。

だけど、だからこそ、、それをあえてやっちゃいたくなる気持ちはわからんでもないのです。物語を「オハナシ」に戻すのではなく、作者自身が存在感を薄めてただの登場人物と化す方向にもっていくことを狙ってるのだとしたら、ですが。それができたらほんとにすごいですから。

そして、多分並みの作家さんよりはうまくそれを処理できてるとは思うのですが(これは本当にそう思う)、やっぱり引いちゃう自分が否定しきれませんでした。この部分はなくてよかった。
いやたぶんこの部分だけ削るなんてのは構造上無理なんでしょうけど、正直な気持ちかも。現実とのパラレルワールドでも構わないけど、作者は出さなくてよかったと言いたい。心から言いたい。

でも、それを含めて「スザンナの歌」は面白かった、と言っておきます!
待て最終巻!
by sakanapo | 2006-08-08 15:39 | スティーヴン・キング