記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

浅田次郎「椿山課長の七日間」

椿山課長の七日間
浅田 次郎 / 朝日新聞社




新聞の連載小説って意外に豪華な作家が書いていたりする。
これも朝日新聞夕刊の連載だったらしい。
新聞の連載小説の1回分ってとても少ないので
面白い話であればあるだけリアルタイムで読むと
欲求不満が募りそうだなあ。

百貨店婦人服第一課の課長、椿山はセール初日に取引先との
宴席で倒れ、そのまま急死してしまう。ところがこの世とあの世の
境のお役所で「邪淫の罪がある」と言われ、それへの不服と
残した妻子、仕事が心配だという理由でその場での成仏を
拒み、7日間の期限つきで現世に戻れることとなった。
ただし、元の自分とは似ても似つかない美女の姿で。
期限厳守、復讐禁止、正体秘匿という3原則を破れば
「こわいこと」になるという。
同様に現世に戻るヤクザ(→大学教授風に変身)と少年
(→少女に変身)も加わって、三者三様の人間模様が描かれるが
やがてそれぞれのドラマが1つに絡み合って…

というのがおおよそのあらすじ。
人情もの、任侠道、コメディタッチと作者が自分の得意な
フィールドで楽しんで書いてるという雰囲気が伝わって
くるようなお話だった。
もちろん軽いだけじゃなく、さすがにそこは浅田節。
要所要所で涙腺を刺激させられる。
中でも蓮ちゃんととある夫婦の対面シーンが一番きた。

TVドラマ化もされるようだが、椿山の父親と佐伯知子を
どれだけかっこよく見せられるかが肝な気が。
「100ある恋愛のうち99は偽物」に続く一連の台詞はわりと
好評なようだけど、簡単に名台詞だなんて言えない気がする。
あれは報われなかった恋について、傷つきはしても後悔していないと
思っていることを示すためにああいう表現になってしまったけど、
本当の恋愛は相手に何も求めないことだと知子が真剣に信じてる
わけじゃないと思う。結果的にそうなってしまったこの愛し方を
「誇りも恋心もいらない」といいつつ誇りに思ってるんじゃないかなあ。
この場面では、知子にそういうことを言わせてしまった椿山の
いたたまれなさの方に関心がいってしまった。

気づいたら脳内で勝手にキャスティングしていたので
公表しちゃおう、脳内キャスト。

椿山和昭:西田敏行(かっこいい系じゃない人希望)
椿山由紀:天海祐希(意外と思い当たらない。誰がいいんだろう)
和山椿:川原亜矢子(キマリすぎかなあ。山口智子でもいいなあ)
佐伯知子:沢口靖子(デパガ、似合いそう)
椿山の父:三國廉太郎(やべえ、釣りバカ日誌コンビ親子だw)
武田勇:佐藤浩市(かっこよすぎだけど…)
蓮ちゃん:日立のCMの女の子

知子=薬師丸ひろ子 というキャスティングを
考えてらっしゃる方
も見かけた。うん、なるほど、それもアリだな~。
芯の強そうな感じがする人がいいんだよねー、
知子は。
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by sakanapo | 2006-01-16 16:04 | 読書日記