記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

アニータ・シュリーヴ「パイロットの妻」

パイロットの妻
アニータ シュリーヴ Anita Shreve 高見 浩 / 新潮社
ISBN : 4102158316



ハードカバーで出た頃に書店で手にとって20分くらい
ナナメ読みしたことが記憶にある。
出だし以外、内容は全く記憶にありませんが。
文庫になったのを見かけたので購入。

国際線パイロット、ジャックの妻キャスリンは
夫が勤務中のある日の夜中、見知らぬ男の訪問を受けた。
「ミセス・ライアンズですね?」
その言葉で全てを悟るキャスリン。「・・・いつ?」
夫が搭乗した機が海上で空中分解を起こしたという。
事故機パイロットの妻としてマスコミに追い回され、
会社側からも聴取を受けつつ娘マティと母ジュリアとともに
悲しみに耐えるキャスリン。やがて、ジャックの
不可解な行動が明るみに出て-

というのが序盤。
いま、第二章に入ったところです。
ジュリア-キャスリン-マティ の女系3代トリオと
そのお世話係となった航空会社の組合の人間、ロバートを
中心に話が進んでいますが、ジャックの謎が徐々に浮上して
まいりました。

ジャックが機内に持ち込んだものとは。
ジャックが母の生存を妻に隠していた理由。

謎はさらに増えるのでしょうか。

翻訳ものですが特に航空専門用語が飛び交うわけでもなく
読みやすい方です。翻訳の高見さんが手慣れているおかげかも
しれません。
読み終わったら補足予定。

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久々に寝坊した。仕事に遅れはしなかったけど
朝食に手がかけられず、ぬこと戯れる時間も削られた。
せっかく2匹ともにょろにょろ起きてきたのに。
ひと月で一番眠い時期だから仕方ないんだけど。



ジャックの秘密は公私両面にわたったものでした。

まずプライベート。ロンドンでかつての同僚だった元スッチーと
2人の子をもうけ、かれこれ4年以上も「家庭」を築いていました。
しかも挙式までして。いわゆる重婚です。彼、カトリックなんですが
カトリックってこういうのに厳しいんじゃなかったっけ??

単なる浮気ではすまない本格的な二重生活。いや、どうやら
彼女との家庭の方が今や優先順位は上だったようです。
ショックを受けるキャスリンにさらに追い討ちが。

うーん、彼女が「ベルファストで教育を受けた」と話した時から
IRAがらみなのは予想がついてしまいますが、
組織の運び屋をするためにスッチーになったというのもすごい。

結局、表面的な謎は解明されるものの、なぜジャックが
彼女の後任を引き受けることを決意したのか、2つの家庭を
どのような思いで行き来していたのか、などジャックの真意を
知る術は既に無く、人ひとりを他人が理解するということは
ほとんど不可能ではないのか、と思わされつつ
意外に明るいラストを迎えます。
第二章で終わってもそれはそれでキレイだと思うんだけど、
ちょっと絶望的すぎるかなあ。

しかし結局娘にはあちらの家庭のことを知らせないのかー。
話して、その辛さをお互いに支えあうこともできる年齢に
達してると思うんだけどなあ。
自分は隠し事しておいて娘と理解しあいたいなんて、甘いんじゃない?
とちょっとひっかかるラストでした。

面白かったけど、何回も読み直したいって程でもないかな。
一言で言うと、ロブスターえろすwww な作品でした。
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by sakanapo | 2006-01-18 10:07 | 読書日記