ダーク・タワーⅦ 暗黒の塔(下)
2006年 12月 27日
サンキャー。
キング堂さんが書いていたように、塔への途上で斃れ、
結末を目にすることのできなかった、とてもとても数多くの読者たちの無念を思いつつ。
ローランドが友や仲間の名を呼びながら塔へ向かっていくシーンで
上記のことを思うと余計に泣けました・・・
ループ構造だということは、1巻の黒衣の男との話し合いから
想像がついてしまってたのでガッカリしたとかそういうことはなかったです。
それでも予想よりは救いのあるラスト(ローランド側にも、ニューヨーク側にも)
だったかなと思う。今度はローランドはなくしたはずの角笛を手にしていて、
いつかは・・? と思わせたり。
スザンナはどこかの世界のニューヨークで運命の2人と初めての再会を
果たせたし。(ちょうどクリスマスシーズンにラストを読めたのは丁度よかったけど
もしかしてこれが新潮社の狙い?(笑)
目的を果たす途上で斃れた(スザンナは違うけど)仲間が
別の世界で再会し、本人たちはカ・テットであった記憶をなくしていても
ちゃんとひかれあい恋人同士になる、という展開が
ジョジョの奇妙な冒険 第6部のまさにラストシーンとよく似ていました。
あるいはフラグ立て失敗によるバッドエンド、永久ループという側面は
「ひぐらしのなく頃に」?
キング自身が登場したことについて、訳者の風間さんは解説で
いろいろと弁護?していたけど、やっぱり萎えちゃうと思ったひとりです。
ただ、キングにとってこの作品は自身の創作世界の根本をなす源泉である
ようなので、自分のために書いていた側面も大きいと思う。
そんな状況に自分の中で納得をつけるというか、整合を図るために
自分を登場させなくてはならなかったんだろうな、とは感じます。
作品そのものに対しては、うーん、やっぱりまだまとまらないですね。
ひとまずは、寂寥感のある達成感にひたっていようかな。