記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

トマス・ハリス「ハンニバル・ライジング」

ハンニバル・ライジング 上巻
トマス・ハリス / / 新潮社
ISBN : 4102167064





映画の話を最初に知ったので、「おいおいハリウッドそんなにネタ切れなのかよ」
と思ったのですが、ちゃんとトマス・ハリスが本書いてたのですね。
一応「レッド・ドラゴン」からのファンなので読まなくては、と思ってたのですが
今頃になってようやく読みました。

★感想

・物語の冒頭、レクター父の台詞「急がないと、シモネッタ」
 で吹く。
 ロシア語通訳の米原万里さんの書いた「ガセネッタとシモネッタ」を読んでたので
 もう下ネタとしか読めない。

・冒頭の宮本武蔵の水墨画で予感はしてたのですが、日本趣味大爆発。
 しかもなんか「エーマジっすか」と言いたくなる扱い。
 レクターが和歌詠んだり伊達政宗の鎧着たり、何の注釈もなく乱れ飛ぶ
 「小野小町」 「与謝野晶子」といった単語。
 あれ、これって日本人の書いたレクターもののファンフィクションでしたっけ??
 と何度も表紙を確認してしまう。
 解説にもありましたが、この作品を一番楽しめるのは日本人でしょう。
 ちなみに映画で日本女性の「紫夫人」を演じるのはコン・リーだそうで。
 せっかく(間違ってる部分もありますが)日本文化の粋を体現し語らせる
 という役なので、歌舞伎畑で英語の堪能な人にでも演じてほしかったところだな、
 と思うのは大河で武田晴信を演じる市川「カピバラ」亀治郎贔屓の
 たわごとでしょうか。

・「記憶の宮殿」のコンセプトがとても好きなのですが、今作ではその萌芽が
 語られていました。ちょっと嬉しい。家庭教師のヤコフ先生から受け継がれた
 コンセプトだったんですね。
 全ての記憶を宮殿の中の展示物と言う形で脳内に整理する。
 憧れます。

・「ハンニバル」でも出てきましたが、レクターの妹ミーシャの死にまつわる
 復讐ドラマが今回のメインテーマです。ただ、前作で出てきたミーシャの乳歯の
 エピソードがあっさり否定されてちょっとびっくり。なぜ??

前作に比べると全体的に軽いタッチなのは否めませんが、そこそこ楽しめました。
映画は見る気なし。
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by sakanapo | 2007-05-20 16:04 | 読書日記