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記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

シグルイ「虎子」

・掛川天女のエピソード入り。
 襦袢は緋色で描かれてましたが、ちょっとイメージが違うかな。
 薄い羅だか紗だかの夏物の襦袢だったはず。
 超スケスケな着物から裸体が覗く点が「天女」なのでは?
 三重が七丁念仏を欲しがった理由と、藤木が刀を守った理由、
 彼女が食欲を取り戻す場面は描かれず。

 伊良子に想いを残す三重と、それでも三重を必死で守ろうとする
 藤木のすれ違いみたいなところをもっと描いてもよかったかなと
 思いますが、三重のあっち側に行ってる顔つきはなかなか美しかった。

・蔦の市を訪れた興津と丸子。興津の天井ぶら下がり健康脅迫シーンが
 カットの憂き目に…涙

・そして、興津と藤木の立会い。
 ちゅぱ右衛門も好きだけど、私はリアリストな興津に共感するので
 このシーンは作画がどうとか演出がなぁとか思わずに見入ってしまった。
 彼は虎眼流に殉じて心中することもできず、かといって検校に取り入って
 自分だけ生き残ることができるとも心底では信じていなかった
 ように思う。もう裏切ってはいるのに、なぜか藤木の手の怪我のことは
 密告しなかった興津。在りし日の賑やかな虎子の間の様子は
 やっぱりぐっと来る。
 そして作品中屈指の名台詞、「心という器は、ひとたびひびが入れば
 二度とは、二度とは…」
 藤木が興津に止めを刺すシーンも、苦しませるにしのびない思いが
 あったのかもしれないなと思った。

次回は「検校仕置屋敷」。二輪はやるのかなぁ?
by sakanapo | 2007-09-23 15:34 | 映像・観劇