シグルイ「虎子」
2007年 09月 23日
襦袢は緋色で描かれてましたが、ちょっとイメージが違うかな。
薄い羅だか紗だかの夏物の襦袢だったはず。
超スケスケな着物から裸体が覗く点が「天女」なのでは?
三重が七丁念仏を欲しがった理由と、藤木が刀を守った理由、
彼女が食欲を取り戻す場面は描かれず。
伊良子に想いを残す三重と、それでも三重を必死で守ろうとする
藤木のすれ違いみたいなところをもっと描いてもよかったかなと
思いますが、三重のあっち側に行ってる顔つきはなかなか美しかった。
・蔦の市を訪れた興津と丸子。興津の天井ぶら下がり
カットの憂き目に…涙
・そして、興津と藤木の立会い。
ちゅぱ右衛門も好きだけど、私はリアリストな興津に共感するので
このシーンは作画がどうとか演出がなぁとか思わずに見入ってしまった。
彼は虎眼流に殉じて心中することもできず、かといって検校に取り入って
自分だけ生き残ることができるとも心底では信じていなかった
ように思う。もう裏切ってはいるのに、なぜか藤木の手の怪我のことは
密告しなかった興津。在りし日の賑やかな虎子の間の様子は
やっぱりぐっと来る。
そして作品中屈指の名台詞、「心という器は、ひとたびひびが入れば
二度とは、二度とは…」
藤木が興津に止めを刺すシーンも、苦しませるにしのびない思いが
あったのかもしれないなと思った。
次回は「検校仕置屋敷」。二輪はやるのかなぁ?