記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

映画「いのちの食べ方」

渋谷で見てきた。http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/

ほとんどが静止カメラの映像で、ナレーションもなし。
たまに会話シーンがあるも、全てヨーロッパ言語で字幕なし。
ただ淡々と、ヨーロッパにおいて農作物・魚・鶏・牛・豚が育てられ、
収穫され、殺され、食料へと加工されていく様子が描かれる
ドキュメンタリー作品。予想通りグロ注意。

まず浮かんだ率直な感想は「日本の第一次産業が価格で勝てるわけねーな」。

とにかく規模が違う。トマトやパプリカ(ピーマン)のハウス栽培のハウスの
果てしない広さ。平屋建てのだだっぴろい養鶏場にぎっしりと詰め込まれた鶏。
もちろん、農地も全てあまりに広大。水をやるのも農薬をまくのも、そのためだけに
特化した専用の機械で行い、人間の力は可能な限り使わないように設計されてる。

日本で目にする農家・酪農家・漁師の作業風景とのあまりの違い。
字面でも分かるとおり、日本では「家」単位の作業。家内制手工業の世界。
対して今回見た作業風景は「企業」のもの。効率重視、コスト削減が極限まで
徹底されてるわけで。日本が「遅れてる」というつもりはないけど、価格が高い分
日本で食べるものがおいしいのならいいけれど、さてどうだろう。
これって、本当に「日本は土地が狭いから」それだけなのかな・・・?

また、労働者の食事・休憩シーンが頻繁に挿入される。
意図としてはおそらく、見ている私達と彼らの距離を近づけるため、
なんだろうね。家畜の生産に関わる人々と私達は何の変わりもない
人間なんだと。

■印象に残ったシーン

・超高速ひよこベルトコンベアー移動。かなりの落差も超高速でたたきつける。
 成鶏の捕獲も同様。全体を通して鶏に対する扱いは牛・豚と比べて悪い。

・牛の立ったまま帝王切開。わりと平然と立ってるのがすごい。

・レタスの収穫シーン。内部だけ見てたらハウス栽培?かと思った。
ちょっとした家のサイズの収穫機の内部で人が刈り取り、包装し、カゴ詰めする。
終わったら収穫機ごと前進して、現れたレタスを刈り取り・・・以下繰り返し。

・バスで移動する労働者が箱を持って一見土しかない土地に散らばる。
 丁寧に土を掘り返していき、細いダイコンのように見える白いものを収穫。
 ホワイトアスパラでした。ヨーロッパの春の味覚っすね~
 どうも日雇いで出来高制?のようだった。 

・牛や豚の解体シーンはさすがに嫌そうにしているお客さんがいました。
 でもまぁ見ておいて損はないんじゃないかな。
 牛は一旦死んでしまったらもう人力で動かすことはできないくらい
 でかいんだ、重いんだってことがよくわかった。
 それにしてもなんで魚の解体はTVでもばんばん映るしみんな平気なんだろうか。

・一見、「食」とはかかわりなさそうに見える映像が進んでいくうちに
 「おぉ・・・」と分かるものもいくつか。岩塩採掘場は当然ながら最初炭鉱にしか
 見えなかった。

・ただひとつの作業に特化した機械がたくさん登場するのも見もの。
 よく考えたな!と感心することしきり。
 畝の間隔も全て機械にあわせて決められてるんだなあ。
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by sakanapo | 2007-12-09 11:29 | 映像・観劇