宮部みゆき「ブレイブ・ストーリー」
2008年 02月 18日
今どきの少年がこの作品の「勇者」。
上下2冊でかなり分厚い。素晴らしいことです。
子供向けのスタンスをとりつつ、大人が読んでもちゃんと面白い作品。
・キングの「ダーク・タワー」へのオマージュと思われる箇所がしばしば。
目的地は「運命の塔」だし。カ・テットはやはりザ・スリーだし。
ネバーエンディングストーリーとか指輪物語とも若干。
・RPG的な要素の出し方はさすがゲーマーらしく堂に入っている。
モンスター倒しても金が出ないなんて!とか。
やっぱ初期装備はしょぼいとこからはじめなきゃね。
・「決闘」の章、相手は強敵と書いて「とも」と読むミツルかと思いきや…
ミツルとの別れはなかなかの名シーン。
・宮部さん的には「模倣犯」的なほんとにどうしようもない人間の暗部を
描いた作品のが書いてて楽しいんじゃないかと思うけど、
こういうのも書いて両方でバランスがとれるのかなぁ。