記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

カテゴリ:読書日記( 56 )

一言でいえばダヴィンチ・コードのもっと長くてくどい版。
舞台も時代もあちこちジャンプしまくるので複雑極まりない。

題材はドラキュラ。といっても実在したワラキア公ヴラド・ツェペシュの方。
ひょんなことで手に入れた不思議な本に導かれ、彼の遺体の行方と
それにまつわる謎を追い求める歴史学者たちの3代に及ぶ探索行を描く。

本が分厚さはかなりのもので、長時間読みふけることができるのが嬉しい。
その中でヨーロッパ史跡をぐるっとめぐるバーチャルグランドツアー気分や
虚実とりまぜた歴史ミステリーを追う歴史学者気分も味わえる。
題材が題材だけにちょっとオカルティックな趣もあり。
長いなりの重厚さは充分で、非常に読み応えありました。

ただ、どうにもついてけねーよ、な部分が。
1つは、ドラキュラの遺体の行方を追うロッシ教授の行方を追う
父の行方を追う主人公、という構成がまず混乱の元。図示すると…
 ドラキュラ ← ロッシ教授 ← 父(+母) ← 主人公(娘)
トルコ、ハンガリー、ブルガリア、イギリス、イタリアなどなど舞台も様々に
移る中でそれぞれの時代の色々なエピソードが語られるのだが、
「あれ、これはロッシ教授の体験だっけ、父親だっけ?」と混乱することしばしば。
だから途中で伏線が張られていたところで覚えてないわけですよ…
またそれを後から探すのもとっても大変なわけで。

さらに、世界史-特にオスマントルコ周りの歴史に関する
ある程度の知識水準を要求する作品。最低限、ワラキアと
オスマントルコが激しく敵対していたことだけでも知っておきたい。
イエニチェリとかメフメト二世とか懐かしいわぁ。
山川の世界史用語集を脇に置いて復習しながら読みたかった。

ちなみに執筆は数年前のはずだけど序文の「読者へ」の日付は
「2008年1月」で、そこにつながる伏線もあったらしい。でも
もう分からなくていいや、探すの疲れました…
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by sakanapo | 2008-02-29 17:14 | 読書日記
世界を救うため、じゃなくて壊れた家族を元に戻すために戦う
今どきの少年がこの作品の「勇者」。
上下2冊でかなり分厚い。素晴らしいことです。
子供向けのスタンスをとりつつ、大人が読んでもちゃんと面白い作品。

・キングの「ダーク・タワー」へのオマージュと思われる箇所がしばしば。
 目的地は「運命の塔」だし。カ・テットはやはりザ・スリーだし。
 ネバーエンディングストーリーとか指輪物語とも若干。

・RPG的な要素の出し方はさすがゲーマーらしく堂に入っている。
 モンスター倒しても金が出ないなんて!とか。
 やっぱ初期装備はしょぼいとこからはじめなきゃね。

・「決闘」の章、相手は強敵と書いて「とも」と読むミツルかと思いきや…
 ミツルとの別れはなかなかの名シーン。

・宮部さん的には「模倣犯」的なほんとにどうしようもない人間の暗部を
 描いた作品のが書いてて楽しいんじゃないかと思うけど、
 こういうのも書いて両方でバランスがとれるのかなぁ。
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by sakanapo | 2008-02-18 17:20 | 読書日記

恩田陸「ユージニア」

実は恩田陸を読んだのはこれが初めて。
雑誌で「麦の海に沈む果実」を切れ切れに読んでたことは
あったけど、結局通して読んではいない。

こちらは↓の作品とは逆の意味でミステリーだと思って読むと
肩透かしをくらわされる作品だった。
間違っても犯人がいて、探偵がいて、最後にトリックも動機も
パキッと明かされるというタイプの小説ではない。

ネタばれあり感想
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by sakanapo | 2008-01-21 23:52 | 読書日記
爽やかに読めたけど、ミステリーだと思って読むより、青春小説だと
思って読んだら意外とミステリーでもあったなぁというくらいの
心構えで読んだ方が幸せになれそうな気がした。

ネタばれあり感想
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by sakanapo | 2008-01-21 23:28 | 読書日記
この人はそんなに暴力が怖いのかなぁと最近の作品を読んでいてよく思う。
この作品には2種類の暴力が登場していて、
ひとつは伝統的な暴力の継承者、ヤクザ。
ひとつは一見勤勉なIT技術者にしか見えないのに
裏にどうしようもない歪みと暴力衝動をかかえたサラリーマン。

で、作者が最近とりつかれたように描いてるのは後者の暴力のように
感じる。たぶん、表立って暴力を振るうのが当然?の立場にいる者の
暴力よりも、普通の人(おそらくは自分も含めて)に潜む暴力への
欲望とか衝動の方が怖いんだろうなと。

相変わらずの春樹節はやはり読んでて楽しいので
中編といって差し支えない分量だったんで、そろそろ彼の長編を
読みたいなあ。
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by sakanapo | 2008-01-20 00:53 | 読書日記

宮部みゆき「楽園」

「模倣犯」の中心的人物だった前畑滋子が9年後に出会う
また別の事件のお話。

ネタばれ含む感想
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by sakanapo | 2008-01-10 19:29 | 読書日記
キャスト発表の時には「随分地味な役者陣だな…」と思った。
見始めたら、内野・亀のけれん味のある演技としっかりした脚本に
魅せられて、近年になく大河にはまってしまった。
特に脚本にうならされることが多くて、まだ若い方だと知って驚いたものだった。
勘助が由布姫・勝頼によかれと武田家滅亡フラグを次々と立てていくあたりからは主人公サイドに感情移入できなくなって面白さが減ってしまったけど、それでもいいなと思えるシーンが散見されて、結局最後まで見きってしまった。
いいドラマでした。

それでは最後の感想を。


・19:59頃に「えっもう風林火山始まった?」と思ったら
 ダーウィンスペシャル予告で画面に映ったカピバラでした。

・最後のコッペパーンも熱唱。カラオケのおかげでばっちりです。
 着メロもコッペパーンですしね。

・演出は前回と連続で清水先生でしたが、意外とノーマル。合戦シーンもかなりよかった。
 馬上の殺陣や疾走シーンなど前回より迫力ある映像でした。
 若干え?と思う画面があるのもこれで見納めかと思うとご愛嬌で。

・手傷を負った勘助の周囲から全く人影がなくなってしまうのは
 既に心象風景に入り込んでるというご都合解釈でいいのかな。
 下手にリアリティ追及して後ろでワーワー雑兵がやってるのに首取りに来ないのも
 それはそれで萎えるし、これはアリだと思った。
 
・伝兵衛と太吉がそれぞれ勘助の胴と首を持ち帰って戻るシーンは良かった。
 あの伝兵衛の悲痛な叫びは印象的。でもマリ支店が伝兵衛の首に…死のアイテムがっ。

・円陣組んで勝ち鬨、どこの甲子園球児か!
 でも後述の2chのレスで気づいたけど、あのアングルは勘助目線なんだね。
 六連銭の旗を見て勝ちを確信して死んでいった勘助へのはなむけとして
 ふさわしいのかもしれません。

・回想シーンはやや多すぎ。1回伸ばした弊害なんだろう。 
 しかし序盤の勘助はいい笑顔だね。生き生きしてる。
 回想の締めが軍神との一騎打ちだったのはどうかと思うが。

・ラストがミツの台詞で締めとは意外。でも良かったよ。

2chの反応
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by sakanapo | 2007-12-16 22:01 | 読書日記

最近のまとめ

・京極作品を改めて全部読み直した。
 「絡新婦の理」でかなり重大な読み落としをしてたことに気づいた。
 一体何読んでたんだ…
 やはり京極堂シリーズ直近の2作は、以前のものに比べて
 構成が一本調子で、読んでいても翻弄される感じが少なく物足りない。
 「今昔続百鬼-雲 多々良先生行状記」は新しく読んだ。
 茜と対峙してるときの多々良先生とは別人だなおい。ライトに読めます。
 奥州即身仏事件は京極堂も登場。

・綾辻行人「暗黒館の殺人」全四巻 読了。
 まるでサイドショウのような悪趣味さは相変わらず好み。
 ちゃーんと読んでいないと、最後であっと言わされることもできないんだなー。
 館シリーズの集大成になってるので、全て手放してしまった館本を
 もう一回読み直したくなってしまう。十角館¥100で買っちゃったよ…

・村上春樹「東京奇譚集」
 春樹節に浸るだけで楽しい。懐かしい。という心理のせいかも
 しれないが、期待より面白かった。喪失感を描き続けてはやウン十年だね
 この人も。
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by sakanapo | 2007-12-15 08:22 | 読書日記
全部読み終わりました。

通勤時間だけで読むハリポタ、続けて読めるのはせいぜい20分くらいで
なかなか進まなかったけど、それでも終盤は本当にのめりこんで読んじゃって
あやうく最寄り駅で降りそこないかけること数度。
J.K. Rowling、あんた立派なPageturnerだよ!
我を忘れて本を読めるなんて本当に幸せな時間だと実感した。
最後数章はあちこちで泣けました…

つっこみどころもかなりあるんだけど、全部ひっくるめて
おいおい語っていきたいと思います。

Chap.11-13 ネタバレ注意
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by sakanapo | 2007-10-04 22:12 | 読書日記
現在読んでるのはChap.15。
もうすぐ半分ってとこですが、残りページが少なくなるのが
ちょっと寂しい気持ち。
まだまだ先は長いですが。

Chap.8~
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by sakanapo | 2007-08-30 22:23 | 読書日記