記憶の宮殿なんて脳内に持てないから、外部に記憶。


by sakanapo

カテゴリ:読書日記( 56 )

きょうの猫村さん
ほし よりこ / マガジンハウス
ISBN : 4838715951
スコア選択:

5/31に2巻が出たのでご紹介。
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by sakanapo | 2006-06-02 08:29 | 読書日記

朗読者

朗読者
ベルンハルト シュリンク Bernhard Schlink 松永 美穂 / 新潮社
ISBN : 4102007113



んー、あまり好きじゃなかった。

年下男と超年上女という系統としては「東京タワー」か?
 (リリー・フランキーではなく江國)
15歳のミヒャエルくんが38歳のハンナにのめりこんでいく
過程はそれなりに読ませるものがあったけど、登場人物が自分から
遠すぎてだめだ、感情移入がむずい。

大人になったミヒャエルくんはハンナの幻影に囚われすぎな割には
朗読以外のコミュニケーションをとろうとしなくてもどかしいし。
ハンナの心情は一切描かれないので、ミヒャエルくん側に立って
彼女の心象を想像するしかないんだけど、想像はできても共感
できなさすぎな論理でハンナにも心を寄せることができない。
結末は、まぁわからんでもないけど…すっきりしないなぁ。

時代背景を頭に置いて読まないと、ハンナにまつわる肝心な点は
全くピンとこない。しかし年代が明示されていないので初読では
展開をなぞらされるだけというか、事情が分かっても
「え、そんな昔の話なの?ふーん」って感じになっちゃうんだよなー。

それが作者の狙いでもあるんだろうし、一応ミステリー仕立てである
とも言えるけど、それを期待して読んでもたぶん面白くはないと思う。
感動を求めて読むのも微妙。

ブックオフ候補けてーい。

ストッキングフェチ度★★☆☆☆
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by sakanapo | 2006-05-16 10:00 | 読書日記

シグルイ

シグルイ 1 (1)
南條 範夫 山口 貴由 / 秋田書店
ISBN : 4253230431



「失うことから、全ては始まる。」

今自分の中では最もアツい漫画、「シグルイ」。
前々からよくネタにされてるのは知ってたけど、特に興味ないんで
スルーしてたのがシグルイポンポコリン*1で陥落しました。

*1:検索すればすぐ見つかりますが、暴力・グロ満載です。
   自分の適性を考えてからどうぞ。

ポンポコリンを見たとき、ストーリー知らないから笑いどころが
いまいち分からないながらも、ラスト3~4枚の絵に魅かれた。すごく。
(1巻の御前試合での藤木と伊良子の登場シーン)
残酷残酷言うわりに意外に絵がきれいで、気迫を感じる画面。
かっこえーなーって素直に思いました。
最後のカラー見開きはちょっとびびりましたけど。ふんどし一丁の
男2人が小腸チラ見せしながら血まみれで舞ってましたから・・・

ストーリーはかいつまむとこんな感じ。
江戸初期、稀代のサディスト徳川忠長が血を見たいがために催した
真剣による御前試合。第一試合で対峙するのは、左腕のない藤木源之助と、
盲目・跛足(片足が不自由)の伊良子清玄。
試合にならないのではとざわめく周囲をよそに、2人は鍛え抜かれた肉体で
必殺の構えを取る。
以降、2人にまつわる因縁話が続き、未だ試合の行方は不明。

2人はかつて濃尾無双と言われた虎眼流剣術の同門であった。
道場破り同然に現れ、流派の跡継ぎと目されていた師範代の藤木を
軽くひねって入門してきた伊良子。藤木の影はすっかり薄い。
師匠の岩本虎眼は今や認知症の老人であり、ほとんどの時間「曖昧な」
状態にある。が、剣を握れば額につけた小豆を十文字に切る腕前の持ち主。
でも直後にお漏らし。
虎眼の娘・三重の婿となって虎眼流を継ぐことを望み、それを足がかりに
さらなる栄達を夢見る野心まんまんの伊良子。
剣士としてのプライド+三重へのほのかな思いから
伊良子に負けじと異常な鍛錬を自らに課す藤木。
やがて虎眼は「た、種ぇ」とか言いながら伊良子を跡目に選ぶ。
屈辱の藤木。
藤木、辛いことに耐えてる時は鼻血がちらりと出る。でも無表情。

が、実は伊良子は虎眼の愛妾・いくと逢瀬を繰り返していた。
これが虎眼に露見し、「流派の秘剣・流れ星を伝授する」との口実で
伊良子を呼び出し一門全員でお仕置き。虎眼は流れ星で伊良子の
両目を切り裂き、いくとともに追放する。
-3年の時が経ち、伊良子の復讐が静かに始まった-
-----
現在6巻まで刊行されております。
非常にグロいシーンが多く人を選ぶとはいえ、強烈な魅力があるのも確か。
登場人物はみな行動規範が我々と違いすぎ・・・といえば聞こえはいいが
要は狂気に満ちています。1巻冒頭、いきなり忠長の首チョンパ+
陰腹切って内臓引きずりだしシーンから始まるくらいだし。
というか、終始一貫この調子です。

「武士道は死狂ひなり」という葉隠の一節がタイトルの由来のようですが
彼らの狂い方は個人的資質+武士道的論理が混じり合っていて
なにもかもが理解できない範疇まで飛んでいってます。
ただそれに慣れちゃうと、迫力ある絵柄や強烈なキャラクターたちに
はまってしまう。特に虎眼先生の、曖昧モードの奇行ぶりと剣士モードの
恐ろしさのギャップとかたまらない。
伊良子お仕置きの際に虎眼先生が流す涙、実は伊良子に裏切られた
悔しさからではなく、流れ星の構えで思い出した全く別件の思い出の
無念さが蘇ってきただけ、だったりとかとにかくぶっとんでる。

主人公2人は、一見、美形の悪役=伊良子、正義のヒーロー=藤木、という
図式に見えますが、野心という動機面からすれば素直な行動をとってて
わかりやすいのは伊良子の方。おびえたり人間臭いところも見せます。
一方、藤木は静かに狂っているというか、あまりに無口で考えが全く読めず
ひたすら怖い。彼が唯一笑みを見せたのは、伊良子お仕置きの時のみ!
焼け火箸を握らされても表情ひとつ変えない。(でも鼻血は出る)
帯刀した浪人たちを素手で殴り殺した藤木を見て「あこがれの剣士の姿だ」
と涙まで流す15歳の涼之介くんを心から説教したくなります。
ヤツはやばいって!

ささいなことですが、伊良子お仕置きの際の「焼き鏝」が「焼き鰻」に
見えてしかたなかった。おなかすいてたんですかね。

単行本ではまだ彼らが隻腕・跛足になった理由は不明。
おそらく、次に2人が剣を交えたときにそうなるのでしょう。

一通り読んでからシグルイポンポコリンを改めて見るとまたサイコー。
しばらく家で「むーざんむーざん♪」とよく歌ってました。
絵的に印象的なコマをうまく抜粋してるなーと思います。
二輪とか、「でかした!」とか。

小腸ちらり度 ★★★★☆
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by sakanapo | 2006-05-12 09:44 | 読書日記

「ダヴィンチ・コード」

映画封切り前に駆け込み読破。
わりと楽しみにしてた作品なんだけど・・・

ネタばれ気味感想
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by sakanapo | 2006-04-20 11:57 | 読書日記
博士の愛した数式
小川 洋子 / 新潮社
ISBN : 4101215235
スコア選択: ※※※


何やら映画化されたりと話題作のようで平積みされてたので購入。
気が付かなかったけどこの人って「妊娠カレンダー」の作者なんだ。
結構イヤな話をさらっと書く人だな、と思ってたけどまたえらく大化けしたなあ。

で、この作品の感想ですが。
短いけれど、読み進めるうちに胸がつまります。
さすがに人気が出るだけのことはあるなと。
でも数学は昔から性に合わないので、出てきた数式は
かたっぱしから忘れちゃいますけどね!
証明の美しさとかは高校の数学の先生がいつも説いてたから
分かるんだけど。logとか虚数とかになるともうね。
テストのためには覚えられるけど、体に染み込まないというか
根本的に関心が持てないんですよ。
私が博士のお手伝いさんだったらすぐクビでしょう。

ただね、どうしても気になるのが、これも一つの「難病・障害もの」
だということ。博士との心の交流を描くのに脳障害って絶対に
必要なファクターなんだろうか。それなしには成立しない感動って
どうなんだろうか。って、この種の感動ものにはつい引っかかっちゃう
性分なもんで…
だけど映画「メメント」は同様の記憶障害ものサスペンスでも
とても割り切って楽しんでしまった記憶ががが。
感動ものじゃなければいいのか、自分w

しかし映画版、義姉が浅丘ルリ子ってのは微妙。
そんな派手なイメージではなかったんだけど。

寺尾聰はハマリ役度★★★★☆
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by sakanapo | 2006-03-10 09:10 | 読書日記
レックス・ムンディ
荒俣 宏 / 集英社
ISBN : 4087472140
スコア選択: ※



帯は「ダヴィンチ・コードを超える衝撃!」
これだけでもうどんなトンデモ本だろうとわくわくして買い。
でも・・・裏切られました。

荒俣さんの本に求めているものは博覧強記ぶりを生かした
潤沢な薀蓄とそれを基にした新鮮な仮説であって、それは確かに
得られたんだけど、わざわざ小説形式をとらないほうが
よかったかな・・・という印象。

人物造形が薄っぺらくて、感情表現が大げさすぎ。
盛り込んだ知識もうまく人物に語らせることができず
報告書としてまとまっていたりして。
じゃあ最初から論文形式で書いたらどう、と思ってしまうのです。
絵画や史実から導きだす仮説の部分はやっぱり面白いので
もったいないかなと。

ホラーというほど怖くもないし・・・
あと医学系の知識は深くないのか、つじつま合わせをしようとも
してない部分が気になりました。私みたいな素人でもハァ?と
つっこみたくなるんだから相当なものかと。
まぁ、トンデモを期待してるんだからいいといえばいいけど
どうせならキレイにだまされたいものです。
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by sakanapo | 2006-02-23 15:06 | 読書日記

指輪物語

指輪物語 (10) 新版 追補編
J.R.R.トールキン 瀬田 貞二 田中 明子 / 評論社
ISBN : 4566023737
スコア選択: ※※※※


あえて追補編を。 旅の仲間のその後に(つд`)シンミリ しましょう。

映画3部作も完結して日が経ち、今更あまり言うこともない
作品なのですが、キングの「ダーク・タワー」がもともとは
これに触発されてできた作品だった、というのを文庫化を契機に
知ったのでちょっと触れておこうかなーと。

あと今やってるゲームで「レンジャー」「ストライダー」が
出てきたりレンジャーの外見がアラゴルンちっくだったりで
指輪、というか馳夫さんを思い出すことが多かったのもありますね。
あ、レンジャーは弓装備なので本来はレゴラスを目指すべきかもw
階段でスケボーしながら弓連射しますね!

キングによれば発売当時のアメリカではヒッピーたちのバイブル
だったそうです。「ガンダルフを大統領に!」なんてプラカードを
掲げた若者が大発生したとか聞いたことがあったけど
(ハリポタでこのパロディがあった)、そういう盛り上がり方
だったのかー。単に「好き」じゃなく、主義主張の支えというか
やや政治的な形で?愛されていたのですなあ。

剣と魔法の世界の土台を築いたエンターテインメント作品、という
位置づけで読んでる身としてはちょっと不思議な気分です。
非常にストーリーは面白いし、キャラも生き生きとしてるし
世界観もしっかり構築されておりいくらでも深入りできる作品ですが、
当時の盛り上がりぶりはやはり理解しかねますねえ。
だいたいガンダルフは短気すぎて大統領には向かんだろうw
すぐ謎のスイッチ押しちゃいそうじゃないですか。

映画もとてもよかったですね。アルウェンの馬面を除いては…。
エルロンド様のM字額は許します。
オーランド・ブルームはこれで一気にブレイクしましたしね。
私は馳夫さん役のヴィゴ・モーテンセンのきたなこい姿が
断然好みですが。
プライベートではアート系な方らしく写真の腕もなかなかだそうです。

まぁしめくくりは、フロドたちホビットをひっくるめて
「農夫」と切り捨てるキングやっぱすごいな、ってことです!
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by sakanapo | 2006-02-15 15:40 | 読書日記
「雪が降るのではない。雪片に満たされた宇宙を、僕を乗せたこの世界の方が
上へ上へと昇っているのだ。静かに、滑らかに、着実に、世界は上昇を続けていた。」

スティル・ライフ
池澤 夏樹 / 中央公論社
ISBN : 4122018595
スコア選択: ※※※※


学生時代、生協の本屋でふとこの本を買ってから
しばらく池澤夏樹にはまっていた。先日の芥川賞受賞作決定を
伝えるニュースで、彼が今の審査委員長だと知って隔世の感。
「真夏の朝の成層圏」も好きで、夏に海へ行くときなんかに
必ず持って行って読んでいたものだ。

「スティル・ライフ」は彼の芥川賞受賞作で、よく理系的と評される
作風がよく出てる作品。酒の入ったグラスを見つめて
「チェレンコフ光が見えないかと思って」とかね、もうどんだけ
かっこいいんだと。
冒頭の序文や、雨崎の海辺に座り込んで雪を眺める描写は
今読んでもしびれます。

ただ、佐々井が淡々と行う錬金術のような株マジックについては
今読み返すととことん環境が変わったなあ・・・と思う。
もし現在この話を書こうとしたら、彼はPC5台くらい用意して
期間限定でデイトレやるんだろうけど、なんでもネットで
できちゃうから話が一部成り立たない。
証券会社に口座持つのも売買の指示も、チャートを見るのも、
企業の財務状況チェックもぜんぶネットで可能だから
主人公の協力を必要とする部分って口座の名義を借りる
くらいじゃないかな。あとは一人でOKだもんね。

自分でも株をやるようになって、佐々井のセリフが一部実感を
持って来たところもあり、彼のやったことがどれくらい難しいか
分かってきたところもあり。
ちょうど証券会社から2005年の取引報告書が届いたけど
いくらプラス、って言われても稼いだ実感がないもんねー。
金銭的雪かき、みたいな感じ。

「チェレンコフ光」で口説いてみたくなる度★★★☆☆
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by sakanapo | 2006-02-01 09:31 | 読書日記
我らが隣人の犯罪
宮部 みゆき / 文藝春秋
スコア選択: ★★



宮部みゆきってどうもイマイチ好きになれないなと思ってたんだけど
よく考えたら作品は「平成お徒歩日記」「本所深川ふしぎ草子」
しか読んだ事なかったり。この2作品は普通に面白かったので
なんでマイナスイメージが?と思って元をたぐると
過去紹介した北村薫編のアンソロジーの巻末で毎回対談をしてるのが
宮部みゆきで、いくつかのコメントが気に食わなかったのが
悪印象の原因だった。

で、たこさんが九州旅行に行った時にこれを買ったそうなので
読ませてもらったんだけど。
やっぱ対談と似たようなところでひっかかるw
何かって言うと、やたら女のマイナス面を誇張した表現。
男の口を借りて「女は口が軽い」だの言わせる部分がやたら多くて
うざったいことこの上ない。「あたし女だけど女のイヤなとこ
赤裸々に書いちゃうわよーん。どう、リアルでしょー」的な
意図を感じて嫌なのだ。
妻がヒステリー起こして卵パックを壁に投げるという表現を
北村薫は褒めてたけど、切羽詰った時ほどそんなことやらねーよw

話の本筋としてはよくできてるし面白いと思う。「サボテンの花」
なんて泣かせも入ってるし。でも端々にひっかかるものがあって
どうにも入り込めない部分がなー。
で、そんなくだらないことにひっかかって楽しめない自分も自分で
嫌だ。なんでこんなに気になるんだろ?

あ、ちなみに過去に読んだ2作品については特に気になるところは
なかったように思う。本所深川~の片葉の葦の話は好きだったし。

ヒステリーって実在するの?度★☆☆☆☆
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by sakanapo | 2006-01-31 20:08 | 読書日記
謎のギャラリー―こわい部屋
北村 薫 / 新潮社
スコア選択: ★★



こわい話っていうか、嫌な話が多いなあ。
このシリーズでは「謎の部屋」が一番ヒットが多かった。
「こわい話」はオチを知っちゃうと再読する気になれない
作品が多くてイマイチ。

南伸坊「チャイナ・ファンタジー」
この作者っておにぎり頭の人だよね?こんなもの書いてるんだ・・・と
いうオドロキがまず先に立つ。
のんびりした絵柄でそんな不条理な、とかスケールでかwwな
こと言われてもなぁ。え?という出来事だけ投げておいて
説明も無く読者はぽん、とおいてけぼりな感じだけど
それが心地よかったり。
放り出された感じ度★★★☆☆

ディーノ・ブッツァーティ「七階」
とある病気専門の病院に入院した主人公。ここでは下の階に行くほど
病状が悪化した患者が暮らしていた。1階はもはや死を待つだけの階・・・
うまーく言い含められてかもしくは偶然でか、どんどん下の階下の階へと
追いやられる主人公。
「世にも奇妙な物語」で映像化しませんかね。ぴったりだと思うけど。
ありじごく度★★★★★

林房雄「四つの文字」
むーん、タイトルにもなっている四文字をどう解釈したら
いいのか分からず、オチを味わいきれていないかも…。
自分を理解してしまった者は死ぬしかない?
北村薫がどこかで引用していた芥川の「ひょっとこの面を
被って踊りながら死んでいく男」を連想させるなにかがある。
オチはともかく、大臣の強烈なキャラと虚無感に圧倒されて
読み返したくなる作品。
漢文解釈希望度★★★★☆

ヘンリィ・スレッサー「どなたをお望み?」
オチが見えつつもそこに向かっていく過程を面白く読ませてもらった。
前フリ長い度★★☆☆☆

ジョン・コリア「ナツメグの味」
ドリンクにナツメグは入れんでよろしい。妙に古典的な味わい。
厄介なグルメ度★★☆☆☆

乙一「夏と花火と私の死体」
死体の一人称語りがまず新鮮。殺されたのに妙に牧歌的です。
健ちゃん妹思いでかっこいいねー。でも目的は自己保身なんだよな。
ショタコン度★★★★★
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by sakanapo | 2006-01-31 13:07 | 読書日記